『おしごと算数』って?「算数=解くもの」から「算数=使うもの」へ

「算数って、結局は計算問題をたくさん解く教科でしょ?」
そう思っている方も多いかもしれませんが、エイスクールの『おしごと算数』の授業はひと味ちがいます。
『おしごと算数』では、子どもたちが“ある仕事になりきり”、その仕事の中で必要になる算数を使っていきます。
たとえば「コンビニ店長」「ロゴデザイナー」「建築家」など、仕事の世界に入っていく中で、「この算数が、ここで効くんだ!」が見えてくる設計です。
なので、「プリントをたくさん解く算数」とは違って、算数を使いながら前に進める授業になっています。
「問題を解かない」のに、どうやって算数につながるの?
「え、問題を解かない算数の授業って何?それで算数の勉強になるの?」と思った方も多いかもしれません。
実は、いわゆる「算数の問題」は解かないのですが、子どもたちには“仕事の状況(ミッション)”が与えられ、それに挑戦する形で授業を進めていきます。
紙の上の問題ではなく、世の中や仕事の中にある、より現実的な課題に向き合うイメージです。
たとえば「店長になってお店を運営する(コンビニ店長)」「デザイナーとしてロゴをつくる(ロゴデザイナー)」といった形で、子どもたちは役割を持って動きます。
お店を経営するミッションに挑戦! 〜「コンビニ店長」の授業〜

「コンビニ店長」の授業では、お店の店長になりきるシミュレーションゲームに取り組みながら、
- 販売傾向や在庫(売れ残り)をチェックして、仕入れ個数を考える
- 仕入れ値と売値の差を見て、利益を考える
- お客さんのニーズや店舗の条件が変わったときに、どう判断すべきかを考える
といった、“算数を使わないと前に進めない瞬間”が自然に出てきます。
具体的には、
- おにぎりを70円で仕入れて、100円で売る。利益はいくら?
- 5個仕入れたら仕入れ総額はいくら?(70円×5個=350円)
- もし3個しか売れなかったら売上はいくら?(100円×3個=300円)→実は赤字
- 4個売れたら黒字、5個売れたら売上500円で…と、条件によって結果が変わる
といったイメージです。
商品は複数種類あり、複数日(複数ターン)運営する形で、収益を積み上げていきます。さらに、お店をめぐる状況(トレンド)が変化する、といったゲーム要素も含まれています。
算数のための算数ではなく、目的のための算数
ポイントは、算数が「テストで点を取るため」ではなく、目的達成のための道具として登場することです。大人が仕事で数字を扱うときと同じように、子どもたちも「必要だから計算する」「比べたいから表にする」「判断するために数字を見る」という体験を積んでいきます。
「計算ができたら終わり」ではなく、計算した結果をもとに“次の打ち手”を考える。この往復が、算数を“生きた道具”にしていきます。
こういう授業だと、子どもたちは驚くほどイキイキと計算するんですよね。利益をたくさん上げて経営ゲームに勝つ、という目標があるので、計算が「つまらないもの」ではなく、「勝つために必要なもの」になる。試行錯誤も自然と進みます。ドリルだと嫌になってしまうくらいの問題量でも、苦にならなかったりします。
ちなみに、計算力をつけること自体が目標ではないので、場面によっては電卓を使うこともあります。
ゲームだけじゃない。算数を表現に使う 〜「ロゴデザイナー」の授業〜

『おしごと算数』の授業は、シミュレーションゲーム型だけではありません。たとえば「ロゴデザイナー」の授業では、身の回りのロゴやマーク、交通標識などを題材にしながら、図形の見方を深めていきます。
ポイントは、「ロゴや標識って、実は図形の組み合わせでできている」という視点です。円・四角・三角形・直線・曲線といった、小学校で学ぶ図形を材料にして、
- 既存のマークを“分解”してみる(どんな図形がどう組み合わさっている?)
- 今度は自分で、図形を組み合わせて“新しいマーク”を作ってみる
という流れで進みます。高学年になると、比や角度、対称性などの学習要素も入ってきます。美しいマークは黄金比のように「きれいな比」になっていたり、線対称・点対称の構造を持っていたりする。デザインの中の図形的な工夫を、そうやって“読み解きながら身につけていく”わけです。
ここで大事なのは、答えが一つではないこと。図形を使って「新しいマークを作ろう」というワークでは、どんなマークにするかは子どもによってまったく違います。試行錯誤しながら自由に表現できて、その結果として、図形の特徴を学ぶことで表現の幅が広がっていきます。
「図形の特徴を理解して終わり」「作図して終わり」ではなく、図形=世界を読み解き、つくり直すための道具になる。これも、『おしごと算数』ならではの価値です。
学年が低くてもできる?高学年だと何が違う?
ここは、保護者の方が一番イメージしづらいポイントかもしれません。算数は学年ごとに学ぶ内容が変わるので、「低学年クラスと高学年クラスで何がどう違うの?」という疑問は自然です。
結論から言うと、仕事体験の“枠組み”は共通である一方で、低学年クラスと高学年クラスでは、扱う算数・ワークのレベルや、そもそも取り組む目的(ねらい)も調整しています。言い換えると、低学年は“体験で腑に落ちる”ことが中心で、高学年は“算数を武器にして攻略する”ことが中心になります。
またそのうえで、個別の学年や算数の習熟度に合わせて、声かけやサポートの仕方も個別に調整しています。
低学年(1〜3年生):
まずは「お仕事ってこういうことなんだ!」という体験そのものが中心です。たとえば「いくつ仕入れたら足りる?」「どっちが多い?」「いくら残った?」といった、身近な数量感覚や比較の感覚を使いながら、仕事の世界を動かしていきます。この段階では、計算の正確さ以上に、数を使って考えることが“面白い”と思えることが大事です。
高学年(4〜6年生):
算数の力がついてくる分、同じ状況でも見えるものが増えていきます。たとえば「利益率」「予測と検証」「条件が変わったときの最適化」など、より複雑な判断が必要になり、算数が“思考の武器”として効いてきます。「どうやったら勝てるか」「どう設計すればうまくいくか」という攻略の面白さが増し、算数を使いこなして目的達成する醍醐味が強くなります。
つまり、おしごと算数は、学年が上がるほど算数の使い道そのものが広がり、思考のレベルや意思決定の質も上がっていきます。その成長を、同じテーマでの“仕事体験”の中で実感できるのが特徴です。
大事なのは「必然性」。算数が“生きた道具”になる
他にも「建築家」「投資家」「ファッションデザイナー」など、いろんな仕事のシリーズがありますが、いずれのテーマでも共通しているのは、算数を「覚えるためにやる」のではなく、日常や仕事の文脈に落とし込み、必然性を持って取り込む、ということ。
その一つの答えとして、『おしごと算数』を位置づけています。子どもがよく言う「算数って何のためにやるの?」に対して、“説明”ではなく、体感として腑に落ちる。
そこが、おしごと算数のいちばんの価値です。
『おしごと算数』の授業は、本郷校・オンライン校で受講可能です。
また、授業だけでなく、ご家庭で取り組める『おしごと算数ドリル』も発売中。
