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校長コラム

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  • 2015.01.29

中学・高校での「イノベーション(モノゴトのデザイン)」の授業

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複雑化するビジネスや社会の課題

飢餓・貧困、人口問題、自然環境問題、民族間の対立、新興国の急成長と先進国の停滞、生き方の多様化。。。21世紀に入り、今までの方法では解決できない複雑なビジネスや社会の課題がますます増えている。「正解がなくなった」などと言われることも多い。大事なのは、これがおそらく不可逆的な変化であり、それが恐ろしく早く進んでいるということだ。

 

チームでイノベーションをデザインする時代へ

そういった時代の変化をうけ、この十数年で、ビジネスやNPO・社会事業の文脈では、「新しいモノゴトをデザインし、イノベーションを起こしていく人やチーム」がより強く求められるようになった。

 

例えば、デザインの世界では、Ziba Designで長く戦略ディレクターを務めた濱口秀司さんが下記の記事で語っているように、デザインの対象が「見た目からビジネスへ」、デザインの仕方が「天才の力ではなく組織の力で」と変化してきている。濱口さんが言う「戦略的デザイン」の市場が今後広がっていくことは間違いないだろう。

 

濱口秀司氏が語るデザインファームの今までと次の一歩

http://bizzine.jp/article/detail/500

 

高等学校・高等専門学校での「イノベーション」の授業の様子

 

変わる大学の人材育成

大学での人材育成という観点でも、この十数年で「イノベーション人材の育成」に力を入れる教育機関は世界中で一気に増えた。Stanford大学 d.school(アメリカ)をはじめ、英国王立芸術大学院 (イギリス)やAalto大学(フィンランド)、KAIST id(韓国)などが有名だが、芸術、工学、経営学など様々な分野を融合したコースでイノベーションの起こし方を身につけていくるのが一つの特徴である。

 

下記の記事でも紹介されているが、a.school代表の岩田が大学院時代に学び、KOMABAでメンターとして関わった東京大学i.schoolや慶応義塾大学SDMなどが日本ではその動きの先端を行き、昨年始まったEDGEプログラム(http://edgeprogram.jp/)を通じて裾野がより広がっていこうとしている。

 

海外名門大生が殺到する日本のイノベーション教育

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40557

 

中高生も「イノベーション」について学ぶ必要があるか?

この「イノベーション人材の育成」の動きは、まだ中高生には本格的に届いていない。中高生も学ぶべきことなのか、というのは一つの論点なのかもしれない。それに対する答えは種々あるとは思うが、a.schoolでは、中高生の時点からこういった学びを体験することは重要だと考えている。

 

グループで課題に楽しく挑み、考えたアイデアをプレゼンテーションする高校生(筑波大学附属坂戸高校)

 

主な理由の1つは、困難な課題に挑むこと、新しいモノゴトを創造することを楽しむ「モチベーション(動機)」や「マインドセット(姿勢)」の育成には、新しいモノゴトを生み出すプロセスを設計する「スキル(技術)」以上に時間がかかるからである(そして、特に高齢になればなるほどその育成の難易度は上がる)。たとえスキルを身につけたとしても、モチベーションやマインドセットが弱ければイノベーションを起こすのは難しいので、幼少期から10代にかけてまずはそこから育成し始めるべきではないだろうか。

 

もう1つの理由は、「イノベーション(モノゴトのデザイン)」の授業のプロセスを通じて、中高生が人生やキャリアに対して多様な価値観や多様な視点を得ることができるためである。学校での授業はどうしても同質的な人材と一緒に学ぶという傾向ができてしまうが、イノベーションを生み出すことに挑戦する中で、ユーザのリサーチ(インタビュー・観察)、外部の大学生や社会人との協働などを通じて、異質へ触れる経験は圧倒的に増える。

 

ユーザと一緒にものづくりを行う高専生(産業技術高等専門学校)

 

異質な人との出会い、その視点・価値観の吸収は、イノベーティブな人生を歩む歩まないに関わらず、10代の中高生にとってとても大きな意味を持つ。個人的には、これまで中高生に授業を行ってきた中で、こちらの影響のほうが大きいのではないかと思うことも多い。

 

中学・高校の先生と一緒に「イノベーション」の授業をつくっていきたい

a.schoolではこれまで下記のような「イノベーション(モノゴトのデザイン)」の授業を行ってきた。現時点では特に、「創造力」「実践力」「アントレプレナーシップ」「ユーザ視点」「ソーシャルマインド」「グローバルマインド」の育成という観点で、授業を設計させていただくことが多い。

 

人間中心視点でプロダクトをデザインする「エンジニアリングデザイン」の授業

  1. 産業技術高等専門学校 品川キャンパス
  2. 産業技術高等専門学校 荒川キャンパス

自分ごとや地域の課題の解決に挑む「ソーシャルデザイン」の授業

  1. ぐんま国際アカデミー

途上国を中心に世界の課題の解決に挑む「グローバルアントレプレナーシップ」の授業

  1. 光が丘女子高等学校
  2. 筑波大学附属坂戸高校

(その他、可児高校、高知商業高校の修学旅行で講演・ワークショップを実施)

少しずつ価値のある授業設計ができてきたという自負もあるものの、現時点では数日間〜数週間の集中型プログラムが中心であり、実施校数も限定的である。中学・高校の先生とより深く協働し、今後はより長期にわたっての授業デザインに取り組んでいきたいと考えている。中学・高校・高専の校長・副校長(教頭)・教員の皆さま、ぜひ一緒に新しい教育プログラムをつくっていきませんか?

 

「イノベーション」の授業にご興味ある学校関係者の方、こちらからお問い合わせください。

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