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スタッフコラム

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  • 2014.12.04

[学びが生まれる場のデザイン] 問いの大切さ

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こんばんは、a.school校長の岩田です。11/29 (日) の対話イベント「子どもの学びを生み出すシカケ」では、学習環境デザインやワークショップの専門家である東京大学大学院 情報学環 特任助教 安斎勇樹さんに来ていただき、「学びが生まれる場のデザイン」について話をしていただきました。


「よい問い」を立てる

学習環境をデザインする、つまり子どもの自発的な学びを生み出すことを考える際には、「活動」「共同体」「空間」「人工物」の4つの観点から考えるらしいのですが、4つの中でも特に「活動」が大事で、さらにその「活動」の中でも「問いの設定」が一番大事だと安斎さんは語ります。


研究者によっては、問いの立て方によって学びの質が8割決まると言う方もいるくらい、問い(課題設定)は大事なんです。でも、それをあまり意識していない人も多いのも事実です

問いの重要性について語る安斎さん


よい問いってどんな問い?矛盾が創造性を生み出す

では、どんな問いがよい問いで、どんな問いはよくないのでしょうか?それがわかれば苦労しませんよね。実際に、よい問いはこういうものだ、と定式化するのはなかなか難しいものです。


しかし、ある程度ヒントはあって、例えば、

  1. 当たり前だと思っていることを揺さぶる問い
  2. 答えがひとつに定まらず、ジレンマがある問い
  3. 背伸びや試行錯誤をしないとクリアできない問い

といったような問いは「よい問い」のようです。

実際に、安斎さんが実践・研究されたワークショップでも、「居心地がよいカフェのアイデアを考えて下さい」というシンプルな問いよりも、「”危険だけど”居心地がいいカフェのアイデアを考えて下さい」という問いのほうが、矛盾を含んでいる分、参加者を深く考えさせ、議論を活発にし、結果として創造的なアイデアが生まれやすかったそうです。


問えばいい、というわけじゃない。陥りがちな罠

逆に、問いに見せかけたニセの問いというものもあるので注意しないといけません。自分が意図していなくても、そういう問いを自ずと発してしまうこともあります。


よくない問いとは、例えば、

  1. 正解がわかっているものしか問わない
  2. 「なぜやらないの?」などと怠惰や失敗を攻めるために問う
  3. YES/NOで完結する問いや、ただのオウム返しの問い

といったものです。

こういう問いは、子どもの発展的な思考を促進せず、思考を凝り固まらせていってしまいます。ただ問えばいい、というわけではないのです。


その話を聞いて苦笑いしていた参加者の方もいましたが、これは頭ではわかっていても、なかなか家庭や教育の場で実践するのは難しいですよね。ついつい面倒になって自分が知っていることだけを問いかけてしまいしがちです。


安斎さんを囲んで、家庭で子どもにどのように接するべきかを対話。やっぱり勉強と親子関係の話が中心!


でも、この「問い」は本当に大きな力を持っています。成人するまでの20年間に、どんな問いに囲まれて育ってきたか、はその人の探究心や思考力と大きく関係していると思います。


問いの設定に最大限の力をかける

a.schoolでも、この「問い(課題設定)」はとても大事にしています。


授業・ワークショップを設計する際にはまず、「どんな問いを投げかけていくと、いい学びに繋がっていくだろうか?」と考えますし、日々「いい問いを出せるようになるには、どうしたらいいか?」と自問自答しながら、塾を運営しています。


自分で問いを考えさせる

もうひとつ、a.schoolで行っている取り組みがあります。それは、生徒自身に「問い」を考えさせること。学習は本来、「なんで○○なんだろう?」という好奇心からスタートします。


この「なんで?」を自分でたくさん考え、生徒同士で発表しあい、どの問いが面白そうか、どの問いが本質的か、議論していきます。「なぜネクタイは生まれたのか?」というところから、西洋文化・文明の進化について考えたり、「なぜ色はあるのか?」というところから、光についてや、人間・動物の身体について考えたりしていきます。


このワークショップは、毎回大盛り上がり。私自身疑ったことなかったような問いも多数出現し、「子どもはみんな、研究者の卵だなぁ」といつも関心させられます。


皆さんも、一歩立ち止まって、一つ「よい問い」を投げかけてみませんか?毎日「よい問い」にあふれて暮らす生活は、きっと素敵だと思います。


改めて、「学びを生み出すための問い」について気づきを与えて頂いた安斎さん、どうもありがとうございました!

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