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  • 2018.10.08

【いきかた探究プロジェクト】好きなことに向き合う人生。それを支えてきた両親の存在。(Mozuさん)

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2018年秋学期にスタートした、いきかた探究プロジェクト」。このプロジェクトでは、あっと驚くユニークで新しい働き方や新しい暮らし方を実践するプロフェッショナルのライフストーリーを、未来の大人たち(小中高生)から今まさにキャリアを模索中の大学生や社会人まで、幅広い年齢層の方々へ紹介します。

彼ら・彼女らの「仕事観」「人生観」をとことん深掘りしながら、「自分はどんな暮らしや仕事、家族や仲間がほしいのだろう?」と内省を繰り返す4ヶ月間を、連載でお届けします!

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ジオラマアニメーター

Mozu(水越 清貴氏)

1998年7月生まれ。東京都立総合芸術高等学校卒業。コマ撮りアニメ、ジオラマ、トリックアートという3つの分野で才能を発揮する注目の若手アーティスト。

 

2015年10月、すべてを1人でつくり上げたコマ撮りアニメーション「故障中」がTBS主催のアジア最大級の短編映画祭「Digicon6」で、JAPAN Youth部門の最優秀賞ゴールドを受賞。
「NHK ワールド」「世界まる見え! テレビ特捜部」「週刊新潮」「読売中高生新聞」など、たくさんのテレビ、雑誌、新聞で取り上げられる。

 

2017年6月、ウェスアンダーソン監督から声をかけてもらい、インターンとしてイギリスで2週間、ストップモーションアニメ「犬ケ島」の制作に参加。 2017年10月、初めての作品集「MOZU 超絶精密ジオラマワーク」(玄光社)を出版。

 

弱冠20歳ながら、コマ撮りアニメ、ジオラマ、トリックアートという3つの分野で才能を発揮する注目の若手アーティスト、Mozuさん。

高校1年生の時に作った「自分の部屋」の1/6ジオラマの画像がSNSで拡散し、メディアから注目されるようになりました。そして2015年には、すべてを1人でつくり上げたコマ撮りアニメ「故障中」が短編映画祭「Digicon6」JAPAN Youth部門の最優秀賞ゴールドを受賞した、今大注目のクリエイターなんです!

そんな華々しい経歴のMozuさんですが、小学校時代はほとんど勉強せず、絵を描いたりゲームをしたりとにかく遊びに熱中していたとか。

そんな彼がどのようにして18歳で独立してプロとして活躍するに至ったのでしょうか・・・?Mozuさんの「いきかた」に焦点を当てて、当日のトーク内容をお伝えします!

① ▲Mozuさんの人生グラフ

いきかたハイライト①
父親の絵によって彩られた幸せな日々

キーワード

父親の絵と応援・創作活動の喜び

 

突然ですが、なんとMozuさん、小学生のころにテストで0点をとったことがあるそうです!もしご自身のお子様が0点をとって帰ってきたら、皆さんは親としてどのように声をかけますか?私だったら「もっと勉強しなさい!」云々・・・と心配して口うるさく言うかもしれません。
しかし、Mozuさんのご両親はこんな風に言ってくださったようです。
「名前が綺麗に書けているじゃないか」(!!!)。

こんな驚き&ほっこりエピソードをMozuさんは笑顔で語ってくれました。
父親はいつも自分の絵や漫画作りなどを全力で応援してくれていました。テストで0点でも、0点という事実じゃなくて違うところを褒めてくれたり(笑)。そもそも漫画や絵を描き始めたのも、父親の影響でした。」

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絵がとてもお上手だったMozuさんのお父様は、いつもいろんな絵を書いてくださったようです。Mozuさんが寝る前に「カブトムシの絵を描いて」とお願いの手紙を置いておけば、仕事から帰ってきたお父様が描いてくださった素晴らしい絵が、翌朝には机の上に置いてありました。
「それをいつも学校に持って行って友人に自慢していました。持って行くたびに友人たちも“すげー!!”と喜んでくれて。とても嬉しかったです。父親は、とにかくいろんな絵を描いてくれて、カブトムシ以外にも、秘密基地の絵を描いてくれたり自分が主人公の漫画も描いてくれたりしました。」
“お父様の絵が見てみたい!”と聞いているこちらまでワクワクする心踊るエピソード。

Mozuさんの創作活動を全力で応援していたお父様は、Mozuさんが描いた漫画を製本して単行本にしてくれました。その本を小学校にも置いてもらったところ、クラスメイトから大人気の作品となったそうです。

大魔王をたおせ

「この経験は、“ものづくりを通じて誰かに楽しんでもらうこと”の原体験になっています。20作品くらい作りました。毎日、帰ってきたらランドセルをほっぽり投げてひたすら漫画を描いていました。だから勉強はまったくしていません(笑)。高学年からはプラモデルにもハマりました。」

テストが0点でも、勉強ができなくても、父親の絵と創作活動があったから充実した日々。小学生時代はとにかく毎日幸福度が高かったそうです。

いきかたハイライト②
幸せな時代から一変。“とにかくつまらない”日々。

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思春期・高校受験という目標

しかし、中学校に入ってMozuさんの幸福度は下がっていきます。何があったのでしょうか?
「中学校はとにかくつまらなかった…。思春期に入ったこともあり、みんながカッコつけ始めて、絵やプラモの話ができる人や創作をしている人が周りに全然いなかった。吹奏楽部に入っていましたが、それもキツくて地獄でした。勉強もついていけないし、友達も全然いませんでした。」
心も身体も複雑に変化する中学生時代に、大好きな絵やプラモを通じて人と繋がれなくなった日々。Mozuさんにとっては、とても辛い状況だったのかもしれません。

そんな中、中学3年生の時に状況が変わります。そのきっかけは、進路選択について考える授業でした。その授業で、美術系の高校があることを知ったMozuさん。「美術系の高校があると知ってびっくりしました。“絵を描き続けられる!勉強しなくてすむ!”と思って(笑)。その高校に行くために、その日から猛勉強しました。」

目標ができたことで地獄のような日々が少しずつ上向きになっていきました。猛勉強の結果、高倍率を勝ち抜き推薦で合格。0点からの快進撃を遂げたのです。

いきかたハイライト③
アートの世界に対する葛藤と苦悩。浮き沈みの日々。

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仲間のいない孤独感・呼吸のような創作活動

高校受験を無事終えて、“やっと絵描きの仲間ができる!”と期待を膨らませていたMozuさん。しかし、現実は思い描いていた世界とは異なりました。
「美術系の高校だから、自分と同じように漫画を描く仲間がいっぱいいると思っていました。しかし、実際は現代アートをやっている人ばかりで…。抽象的なコンセプトアートに関する話をするクラスメイトばかりでした。」

このような現実によって、再び孤独感がMozuさんを襲います。
「自分は具体的な漫画などの誰にでもわかるわかりやすい表現を重視していたので、現代アートの人たちや作品の魅力が理解できませんでした。よくわからない芸術の話や抽象的な物事に関する議論よりも、自分は今週のジャンプの話がしたかった。」
“今週のジャンプの話”。当たり前にできると思っていた話ができない、シビアな世界。

Mozuさんは孤独を感じつつも、遊ぶ相手が誰もいないおかげで自分の創作が進んだと語ります。学校とご飯とお風呂以外は、ずっと自室に篭って制作活動をしていたそうです。孤独を感じる苦しい日々でも創作を続けられたモチベーションは何だったのでしょうか?
「“好きだから”です。ただそれだけ。創作は自分にとってなくてはならないもので、呼吸のようなものだった。」

ひたすら孤独と向き合い創作をし続けたMozuさんは、Twitterによって自分の取り巻く世界が変わっていきます。自分の作品を載せていたツイートが拡散されて、イイネやRTが急増しました。テレビ取材もたくさん入り、社会から注目されるアーティストになったのです。

2のコピー

一躍時の人となったMozuさん。幸せが絶頂になるかと思いきや、人生グラフは浮き沈みを繰り返しています。
「作品が注目され、クリエイターとしては幸せなことでした。しかし、学校生活は変わりませんでした。むしろお互いがライバル意識を持っているシビアな世界だったので、クラスメイトからの嫉妬が辛かったです。“なんであんな単純な作品が評価されるのか”と陰口を言われたり。とても苦しくて人生で一番落ち込みました。」

クリエイターとして注目されればされるほど、身近な現実世界では孤独化が進んでいきました。

Mozuさんのいきかたとは?
“苦しみも受け止め、
好きなこと・自分にしかできないことをやる”

キーワード

大学に進学しないという選択・自分にしかできないこと

高校卒業が迫り、進路に悩むMozuさんでしたが、美大には行きたくないと思っていました。仲間を作るつもりで入った美術系の高校で、友人ができなかったからです。ちょうどその時期に、アジアの映画祭で創作したアニメーションが優勝します。その映画祭で、エヴァンゲリオン等で有名な庵野秀明監督など名だたるクリエイターから「君は大学にいかなくていい」と言われたそうです。

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「このアドバイスはとても励みになり、進学せずに今まで通り創作し続けることにしました。高校を卒業してから学校の苦しい世界から解放されたこともあり、とても幸せな日々を送っています。好きなことを仕事にしているので、毎日楽しいです。テレビ取材がきっかけで、大好きなひつじのショーンの制作スタジオに呼んでいただくなどの機会にも恵まれました。」

社会的な注目を集める人気クリエイターとして輝き続けるMozuさん。しかしその人生には苦しみもつきものでした。それでも心折れずに創作をし続ける人生について、20歳とは思えない大人びた表情で以下のように語りました。
「常に心は折れっぱなしです。でも、ものづくりを続けてきたからこそ、生きてこられました。確かに苦しい時もたくさんあります。でも、苦しさは創作に必要なものだと思っています。例えば、高校の時は本当に辛かったのですが、だからこそ、創作を続けることができたのだと思っています。」

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「自分は創作という好きなことをずっとやってきました。創作がなければ、人生がどうなっていたかわかりません。創作を信じることができたのは、幼少期に漫画作りやプラモデルなどを通じてたくさん遊んだ経験、また両親の応援と信頼があったからだと思います。これからも、自分の好きなこと・自分にしかできないことに思いっきり向き合う人生を送っていきたいです。」

トークの最後に、「一本締めをやってみたい!」と少年のような笑顔で提案するMozuさん。お客さんも一緒に大きな一本締めをして、暖かな雰囲気で終了しました。

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《ライターいづっちゃんの取材後記》
テレビや写真でしかみたことのないMozuさんでしたが、実際にお会いしてみると、少年のような大人のような、不思議な魅力を纏ったとても素敵な方でした。アーティストとしての等身大の苦しみと生きることを支えている創作の充実感、20歳とは思えない重厚なトークで、心に迫るものがありました。
トークの後に、にこやかな表情で両親への感謝の気持ちを素直にお話している様子がとても印象的でした。例え遠い昔のことになったとしても、記憶が薄れていったとしても、幼少期のお父様との絵のやりとりが、ずっとMozuさんの人生を支え続けていくのだろうと暖かい気持ちになりました。

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  1. vol.1 近藤玄大さん

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