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  • 2017.01.14

【面白数学】02-ATMの行列

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a.school研究開発スタッフ 星功基による、【面白数学】コラム第二弾。

日常の中に潜む「面白い数学」を発見して、シンプルに紐解く連載です。a.schoolのプログラム設計でも大切にしている「数学と日常の繋がり」を皆さんも一緒に探究していきましょう!

今回は「ATMの行列」について。忙しい時に直面すると正直イライラしますよね(笑)「こんなに並んでいるならもういいや!」と並ばないことにしたり、「途中まで並んだから意地でも並びきる!」とこだわったり。そのように、直感的に判断することも多いと思います。

そんな時に「シンプルに的確な状況判断できる方法」があります。数学の問題を解く時に「補助線」が大事とよく言われますが、この記事を読んで、これこそが「エレガント!」な補助線の使い方だと思いました。そもそも「なぜあんな並び方をさせるのか!」と銀行に改善提案をしたくなる記事です。

(a.school代表 岩田拓真)

会社の昼休み。

定食屋に向かおうと思ったが、財布に現金がない。ATMでお金をおろすため、会社近くのみずほ銀行に向かった。

いつもの銀行の入り口。慣れた感覚で、あまり前方に注意を払わず自動ドアを入る。すると、すぐそこに人がいる。

ん?

銀行の中をきちんと眺めると、ATMの前に長蛇の列ができている。入り口付近まで人が溢れていた。

そうか、今日は、25日か。これは時間かかりそうだな。

昼休みの貴重な1時間。人気の定食屋は、タイミングを逃すと席が埋まってしまう。時間が気になる。でも、お金はおろしたい。少し歩いたローソンでおろすという手もある。ただ、その往復でかかる時間がネックだ。ローソンが並んでないとも限らない。

何分くらいで、自分の番になるだろう?

ローソンとの往復とみずほの順番待ち、どちらがより時間がかかるだろう?

このみずほ銀行で、ここまでの長蛇の列は初体験だった。ましてや振込が多そうな気配。予測がたたなかった。

状況をもう少し確認するため、前方を見た。

こんもりと並んだ、長蛇の列。ちらちら見える誘導テープと人の頭を確認すると、3回折れて、自分の目の前の列にきていることがわかった。

その先に、ATMがある。

人々の頭の先に見えるATMのサインから推測すると、1番右は両替機で、それを除くと、ATMは、1、2、3・・・全部で10台。

状況を上から俯瞰すると、こうだ。

ここから、どう時間を割り出すか。

う〜ん、と頭の中の俯瞰図を眺めた次の瞬間、ある考え方が浮かんだ。

「ATM1台あたり」で考えればいいのではないか。

よく見たら、誘導テープで区切られた1列にはちょうど10人ほどの人がいる。 さきほどの俯瞰図を1台あたりに分割する。

すると、このようになる。

この1台に対しては、実質4人並んでいて、自分はその後ろに並んでいる、と考えられる。1台に対して4人だったら、経験から予測がたつ。

記憶の時間感覚をたどると、ただお金をおろすだけだったら、1分弱くらい。振込だと、2分強くらい。振込や引き落としなど様々な用途のお客さんがいるだろうけれど、これだけ人数がいれば、平均化して考えてもよさそうだ。

前に並んでいる4人中2人は振込で、他の2人は引き落としのみ、だとする。

2分強+2分強+1分弱+1分弱=約6分

約6分!

約6分だったら、ローソン往復と比較しても待てるレベルだぞ。 そう納得した途端、この長蛇の列はストレスではなくなり、むしろ検証の楽しみになっていた。

6分後。 本当に自分の番がきた!

心の中のにんまりとともに、お金をおろした。

人気の定食屋に向かった。ちょうど満席になったところだった。残念。やはり6分でも長かったか。

その近くの焼き鳥屋でランチをすまし、会社にかえる途中、信号が赤になり横断歩道で止まった。さきほどのATMの行列を思い出していた。

1台あたりで考える。

長蛇の列を目の当たりにしたときの時間感覚と実際の約6分の感覚とは結構なズレがあった。

直感的に把握できない大きな事柄にあたったとき、わたしたちは、ただ「うわーいっぱいだ!」という感慨しか出てこないことが多い。そんなとき、この「単位あたりで考える」という頭の動作は使えるなと思った。

信号が青になった。

13時からの会議に間に合うように、歩くスピードを少し速めた。

とても軽やかだった。

〈執筆〉星功基
a.school研究開発スタッフとして、算数や探究ラボの授業設計サポートをしている。また、文字とことばのデザインユニット「二歩」としても活動中。大学時代に所属していた佐藤雅彦研究室で学んだ「考え方を考える」ことを大切に、夢中になる教育と表現をつくりたいと思っている。
元記事はこちら

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