a.school ブログ

ママライターが行く!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2016.06.15

“探究・創造ラボ”で育つものって?

DSC02795

a.schoolの目玉授業で、双方向型・プロジェクト型で学びを進める“探究・創造ラボ”

前回のインタビューでは、実際に通っている塾生の保護者の方から、「子どもの自信と自主性を生み出してくれている」と聞きました。そこで、今回は実際に探究・創造ラボの発表の場となる、「探究・創造フェス2015秋」に、小中学生の母でもあるLoco共感編集部のライターが潜入し、取材してきました(取材は昨年12月に行われました)。

「なぜ・何が・どうやって」がこれからを創る!

a.school代表の岩田拓真さんは、「これからの人材に求められるのは、自ら考え行動し、自分の人生を切り拓く力だ」と語ります。そういう人材になるためには、自分自身が「なぜ学ぶのか」「何が好きなのか」を知り、「どうやって学んでいくのか」を学ぶことが重要と考え、始めたのが“探究・創造ラボ”という授業です。他の学習塾ではあまり行われていない非常に画期的な取り組みです。

この授業は、1つのテーマを3・4ヶ月の期間探究して、自分なりの答えを創造し、最後に30〜40人ほどの大人の前で発表するというもの。毎週の授業はワークショップ形式で進められ、大学の研究や企業のプロジェクトと同じように、科目・分野を越えてさまざまな知識を混ぜて活用しながら学んでいきます。 今回は人間をテーマに、「哲学」「心理学」「生物学(進化や遺伝子)」「工学(人工知能)」など、さまざまな側面から探究するもので、4か月間のワークショップを経て、各人がテーマを決めてさらに探究し最終発表に臨みました。 子どもたちが選んだテーマは、「欲望」「美しさ」「笑い」など、個性豊かなものとなりました。

探究のタネは「お母さんの“イライラ”」と「昔みたアニメ」――小学生の部

小学生からは2人の発表。一体どんなことに興味を持ち探究できたのか?どんな発表の仕方をしてくれるのか……。

「ストレスの由来は知っていますか?」とクイズ形式から始まり、「ストレスと睡眠の関係」について発表したのは、小学6年生のケイタロウくん。 「このテーマを選んだのは、お母さんがよく怒るので、ストレスがたまって熟睡出来ていないんじゃないかと思い、調べることにしました」と素直な理由を話すと、会場にいるお母さんも苦笑いです。 眠りたいのに眠れない、ストレスから来る不眠症の解消法を調べ出し、複数提案してくれた発表でした。最後には、「今回疑問のままで終わってしまった、睡眠に影響があると言われる“ブルーライト”についても、さらに調べていきたい」との発言も。発表とは完成ではなく、次の疑問へのステップ。こうやって子どもの探求心は増幅されていくのだと、改めて気づかされた言葉でした。

ドーパミンなど化学物質と睡眠の関係から不眠症の改善法まで幅広く、プレゼンしました

小学5年生のシュンくんのテーマは「欲望について」。一見重く感じるテーマですが、幼い頃に見ていた「仮面ライダーオーズ」のテーマが欲望だったことを思い出し、なんだか面白そうだなと思ったのが探究の始まりだとか。 マズローの欲求5段階説から、34個の欲の種類を9種のグループに独自に分け、イラストとともに説明。どんな時にどんな欲が出ているかを、『ドラえもん』の登場人物をもじった人形劇をして、聞き手にわかりやすい工夫もありました

発表の終わりには、マズロー欲求段階説で、第一階層「生理的欲求」の中に、なぜ、自分では一番大事だと考える遊戯欲(遊び)が入らずに、性欲(恋愛)が入るかを会場参加者に質問。同意する人もいれば、「性愛だけでない愛もある。愛が根底には必要だと思っている」と対峙する場面も見られました。その時のシュンくんの表情は、共感できないもどかしさと、議論する楽しさの両面が垣間見え、とても印象的でした。

会場の参加者に質問するシュンくん。思いがけない質問に大人も意表をつかれながら、真剣に答えます。

発表を終え、休憩中に親の携帯でゲームをする2人の様子は、どこにでもいる小学生の姿ですが、調べた内容は表面的ではない深掘りしたもので、発表と質疑応答の様子は、堂々たるもので感心しました。 わが子の発表を見守っていたお母さんたちは、「疑問に思ったことをそのままにせず、調べてみようという意欲が出てきました」「自分の意思を主張しなかったのが、自信をもって出来るようになった」と子どもの成長を感じていました。

型にはまらない探究テーマと発表――中学生の部

中学生の部では5人が発表。その中で、「春の目覚め~50人の大人が教えてくれた思春期~」と小説のようなタイトルをつけたのはレイさん。彼女が探究したのは、「思春期」についてです。 レイさんは現在中学1年生。友達と恋バナ(恋愛の話)をするようになったり、親に反抗するようになったり……自分の中に変化を感じるようになったことから、このテーマを決めました。

発表内容で目を引いたのは、机上の調べからのまとめだけではなく、18歳以上の男女50人に自らアンケート調査し、データを分析していたことです。 アンケート内容は、思春期の体験として「恋愛・友人・勉強・家族」の4つをあげ、それに対しての思いを「幸せ・楽しい・面白い・辛い・悲しい・恥ずかしい」から選ばせるものでした。 「異性に対する思いの強さが男女で違い、共学か別学かでも感じ方に相違があること。思春期は、男女ともに『自分』について考え悩み、他者との関わりがより深くなる時期でもある」と考察をまとめ、会場の大人たちもアンケート結果を、興味津々な様子で見入っていました。

「春の目覚め」という小説のようなタイトル。アンケート結果は円グラフなどを用い、わかりやすくまとめられていました。

そして、ひときわ異彩を放ったテーマ「軍事技術について」を発表したのは、ソウタくんです。最先端の技術が使われているスマートフォンなど、身の回りの便利な道具の要素が知りたくなり調べていくうちに、このテーマに結びついたそうです

戦争が起きる原因から始まり、歴史上の戦争・それに伴って発達した武器を、世界地図で示しめしながら紹介。そして、この軍事技術の開発が、文明の発達に大きく影響していることを説明してくれました。 そして、「戦車のキャタピラーが工事現場の車両へ」「敵を察知するためのレーダーが天気予報に」「原子力爆弾を造った科学者が、技術を転用し開発したテレビゲーム」「軍隊で余っていたカット綿から、アイディアが生まれたティッシュペーパー」――さまざまな例を挙げ、私たちの生活には浸透した軍事技術が、たくさんあることに気づかせ、参加者をうならせていました。

軍事技術の”技術”としてのすごさを、自分の所感を交えながら語ります。

2人以外の発表には、「笑い」が人にもたらす影響を、脳科学・心理学の視点で調査し、ユーモアたっぷりの語り口で発表し、会場をわかせていたものや、性格を分類した「エニアグラム」に着目し、性格判断できるコーナーを発表の中に設け、見学者を楽しませてくれたもの。世界遺産の美しさにひかれ「美しさ」と「黄金比」について掘り下げた発表などがありました。

見学の20歳代の男性は、「内容の捉え方が、子どもならではの感受性のあるもので良かった。小学生のプレゼン力・題材の取り上げ方が、大変レベルが高かった」との感想でした。 また、小学2年生のお母さんからは、「子どもがとても好奇心旺盛で、親がその質問についていけないことがあります。a.schoolの親子参加型のワークショップにとても興味があり、子どものとの関わり方・伸ばし方など、親も学んでいきたいと思っています」の声がありました。

探究途中で子どもたちは、自ら見つけた課題が解決できず、新たな疑問にぶつかり大きな壁となったこともあったそうです。その度に模索を繰り返し、根気よく探求を深めてきたといいます。だからこそ大人からの鋭い質問にも臆せず、自分の言葉でしっかりと応えることが出来たのでしょう。 疑問に思ったことを調べ、まとめ、プレゼンテーションする。そんなことが小中学生に可能なのか?ほんの少しの疑問を持ちながらの取材でしたが、子どもたちのテーマへのアプローチ・プレゼンテーションの力は、目をみはるものがありました。 「調べ、深めていくためのヒントを教えてくれる仲間と先生、発表する“場”があることで、こういった力が育っていくのかもしれない」、そう感じた時間でした。 今後の取り組みを通し、子どもたちがどんな成長を見せてくれるか楽しみなところです。

(文:Loco共感編集部 後藤菜穂・山本弥和)

a.schoolブログ

カテゴリー

最新記事

人気の記事

過去の記事

スマートフォン用サイトを見る