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中高生コラム

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  • 2014.12.10

[学びが生まれる場のデザイン] よい学びにはリズムがある!?

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こんばんは、a.school校長の岩田です。11/29 (日) の対話イベント「子どもの学びを生み出すシカケ」(ゲスト:東京大学 助教 安斎勇樹さん)のレポート第二弾です。


前回のテーマは、学習環境の4要素(「活動」「共同体」「空間」「人工物」)の中で最も大事な「活動」についてでした。その「活動」の中でも、特に大事なのは「問いの設定」だというお話でしたが、今回は「活動」のもう一つの要素について考えていきたいと思います。


ただ「体験」すればいいわけではない

昨今、「体験」を通じた学びの重要性が叫ばれています。まとまった知識を他人から教わるだけでなく、自ら主体的に行動し、具体的な体験をしながら学ぶ必要がある、と。


確かに、自分が体験したことがないことを知識として学ぶというのは、なかなか想像力が追いつかず難しいという側面があるのは事実です。聞いただけではちんぷんかんぷんだったことが、実際に体験することで「ああ、そういうことか」と腑に落ちるということもよくあります。


それに対して安斎さんはこう投げかけます。


「体験」は学習においてとても大事ですが、ただ体験すればいいというわけではないんです。音楽やダンス、スポーツにリズムがあるように、よい学びには「リズム」があります。


知る、創る、ふりかえる

この、学習における「リズム」とはどういうことなのでしょうか?


組織行動学者のデイビッド・ゴルブが提唱した「経験学習モデル」がとても参考になります。

  • 経験:体験する or 何かを創る
  • 省察:やったことを振り返る
  • 概念化:法則や仮説を見つける
  • 実践:次の場面で試す

経験を通じて学びを深めていく場合には、この4つのサイクルをしっかりと回すことが重要だとデイビッド・ゴルブは言います。

こう言われると当たり前ではあるのですが、手を動かしてばかりでもダメだということです。せっかく体験したことを噛み砕くことなしに次へ次へと進んでいくと、多数の体験が消化不良のまま残ってしまうことになります。


知識ばかりでも、体験ばかりでもダメで、知ること、創ること、振り返ること、のサイクルを繰り返して、ひとつの経験を次の経験に接続させていくことが大事だと安斎さんは言います。


具体的な体験と知識習得のコンビネーション

a.schoolでも、この学習のリズムをとても大事にしています。


具体的に行っていることはいくつかありますが、まずは、できるだけ体験・実験・創作などの具体的なワークから始める、ということでしょうか。機械を自分で分解した後のほうが、機械の仕組みやエネルギー・電気などの法則への興味や理解度が上がりますし、日本語を話せない人と出会ってコミュニケーションに苦戦した後のほうが英語への学習意欲は向上します。


何から何まで体験することはできませんが、できるだけ具体的な体験を増やすことで、単なる抽象的な知識ではなく、実感を伴った深い理解につなげていくことができると信じています。体験のあとに、「なんでこうなんだろう?」と問いかけて、知識を深堀りしていくことも大事です。具体的な体験と知識習得をバランスよく、リズムよく、行っていきます。


ものづくり体験!手を動かして、つくりながら、工学やデザインについて学ぶ


自然体験!大自然に自ら触れて、地球や、生物や生態系について学ぶ


一人で、みんなで、ふりかえる

もう一つ大事にしているのは、ふりかえりの時間です。今日何が一番面白かったか、何に刺激を受けたのか、自分は何を学んだのか、わからないことは何か、次は何をやりたいか、といったことを自分自身でふりかえることが、学びの定着や進化につながります。


a.schoolでは、毎回授業・ワークショップの最後にふりかえりシートに記入をし、体験したことから法則や仮説、気づきを抽出してもらうようにしています。


楽しく学んだあとは、じっくり振り返る時間が


また、このふりかえりを、グループで行うことにも大きな意味があります。同じ体験をしたメンバーでも、その体験の捉え方や、そこから学んだことは千差万別です。それを共有し合い、ぶつけあうことで、一人では気づけなかったことに気づき、面白さを感じたり、新しい知識を吸収したりすることができます。


そして、それらを通じて、ふりかえるスキル自体を育成しています。私たちがいなくても、自分一人で、もしくは仲間と一緒にふりかえりができるようになると、自ら学ぶ力がついたという一つの証です。


自分の学びのリズムをチェックしてみてはどうでしょうか?

皆さんも、本をたくさん読んで勉強しているのになぜか結果が出ないとか、色々と行動していても何か空回りしているなと感じることはありませんか?そんな時は、ぜひこの学びのリズムを見直してみてください。気づかないうちにリズムが崩れているのかもしれません。


リズムよく学ぶ。そう聞くと、なんだか楽しそうだと感じませんか?ぜひ、皆さんも学びにリズムを取り入れてみてください。


蛇足ですが、a.schoolの講師の役割は、もしかしたらプロのスポーツトレーナーや心理カウンセラーのように、1人1人の横に付き添って学びのリズムが崩れた時にサポートするような「メンター」なのかもしれないなと改めて思いました。いいメンターになれるよう、学びのリズムの研究を続けていきたいと思います!

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