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校長コラム

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  • 2018.01.18

なりきり!コンビニ店長に挑戦(おしごと算数編)

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算数の重要なスキルの一つ『計算力』。

皆さんはこれまでどのようにして磨いてきたでしょうか?

その答えとして一番多いのはおそらく「計算ドリル」だと思います。計算力を磨くためには反復的に練習することが必須なため、その答えは理にかなっています。計算力とは筋トレのようなものなのです。

ただ、計算が得意な人は、実は計算法を暗記しているだけでなく、『計算を工夫する力』を身に着けていることが多いので、ただ練習を繰り返すだけでもダメです。「この場合は、計算の順序を変えたほうがいい」もしくは「一度式を分解したほうが後々いい」などと状況判断して工夫していくことが大事なのです。

これも筋トレと似ていますね。筋肉はついたけれども使いこなせていない、スポーツなどの実践で生きない、というイメージでしょうか。つまり、「計算はただ反復練習すればいい」という考えは間違っていて、反復練習しながら計算を工夫する力を身につけることが大事なのです。

※この『計算を工夫する力』については本記事では触れないため、また別の機会に書きます(記事を待てない方は、「計算力を強くする」などの本をお読みください。オススメです。)。

さて、ここからが今回の本題です。計算には、「ただ反復練習すればいい」ということ以外に、もう一つ大きな誤解があります。それは、「計算(反復練習)はつまらないものだ」という考えです。私自身はそれほど嫌いではありませんでしたが、そういう意見を聞いて「確かに面白いものではないか」と漠然と思っていました。

しかし、最近その考えは変わりました。「計算(反復練習)ですら、楽しくできる」と。講師や先生の工夫次第で何とでもなります。つまらなかったのは「計算」ではなく「計算ドリル」のカタチだったのです。

最近は面白いドリルも出ていますが、a.schoolとしての答えの1つは、「経営」という仕事に挑戦しながら経理業務を行う中で計算力を磨くというアプローチです。計算のための計算ではなく、何か目的のための計算であることがポイントです。

そして、コンビニ店長という子どもたちにとっても身近な職種を選び、複数人で協力してプレイする「アナログゲーム」としてエンタメ要素を磨きました。

本記事では、a.schoolの「探究算数」クラスで2017年9〜10月に取り組んだ『コンビニ店長編』の内容を追体験しながら、「目的のための計算の面白さ」を実感していただきたいと思います。12月に実施した1日版の冬期講習でも大きく盛り上がった人気コンテンツです。

さあ、コンビニ店長の世界へようこそ!

「コンビニ店長」「コンビニ店員」の仕事は何だと思いますか?

算数の授業ではありますが、a.schoolでは、まずはお金や仕事の話から始まります(笑)

「なぜお金というものがあるのだろう?」「大昔、お金がなかった頃は、人々はどうしていたのだろう?」「今のお金のカタチになるまでに、どういう経緯があったのだろう?」そういう問いからまずは考えます。

そして、物々交換中心の時代から貨幣の誕生まで、貝貨(貝殻の貨幣)から現在の紙幣・硬貨まで、お金にまつわる歴史やお金の本質について確認・議論した上で、次は『商売』の仕組みについて考えます。

「みんなにはこれからコンビニを経営してもらいますが、コンビニ店長やコンビニ店員ってどんな仕事ですか?」と。

ぜひ皆さんも考えてみてください。

コンビニに必要な仕事を書き出して、そのうち「店長」が担うべき仕事はどれだろう、と取捨選択してもらうのがいいかもしれません。

書籍・新聞を観ていて、仕事をしていて、「経営」という言葉自体はよく出てくると思いますが、それが何を指すかを深く考えず、「経営」と一言で片付けて理解した気になっていませんか?

私自身の仕事が経営者ですし、知人にもたくさんの経営者がいますが、経営に関する考え方は様々で、やっている仕事内容も人によって全然違います。答えは1つではないので、ぜひこの機会に自分なりに考えてみてください。

さて、皆さんの出した答えは何でしょうか?

決まった答えがあるわけではないので、生徒たちとも「何だろうね?」とフラットに議論をします。オトナからあまり出ない答えとしては、例えば「えらそうな人」という答えが出ました(笑)それに対しては「えらくない社長はいないかな?」などと返したりして、場を温めていきます。「いわたく(=私)はえらくなさそうだから、人によるかもしれない」なんて言われたりしながら(笑)

そのように、これから取り組む「コンビニ店長」について頭を巡らせてから、仕事に挑戦していきます。ちなみに、今回のゲームでの「店長」の仕事は3つです。

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お店にどんな商品を何個置くかを決め、今手元にあるお金を使って商品を手配する「仕入れ」の仕事、仕入れた商品を顧客に提供する「販売」の仕事、今後の戦略のために商品の在庫や収入・支出をきちんと記録・管理する「経理」の仕事です。

この3つを「コンビニ店長」ゲームでは行います。

それらはとても重要な仕事ですが、実は店長にはもっと大事なことがあります。

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それは「決断」と「責任」。

仕入れる、売る、記録するという3つの仕事は、他の人に任せようと思えば実は出来てしまうんですね。しかし、どんな店長でも、「意思決定」をすることと「結果責任」をとることからは逃れられません。それは、経営の中でもより本質的な仕事だからではないでしょうか。

このスライドを見せると、それまでワイワイと楽しそうにしていた子どもたちの顔も引き締まります(笑)

いよいよスタート!『コンビニ店長』ゲーム

前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本番。

一緒にゲームに挑戦してみましょう。

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皆さんが店長を任されたのは、なんとコンビニ激戦区。たくさんのコンビニが競争しあうこの新都心地区で、どれだけ儲けを伸ばすことができるのでしょうか!?

まずは、店舗名を決めてください。

ちなみに、生徒たちの中では、自分の名前を店名につける、自分の好きなものを店名の一部に入れる、◯◯マートやセブン◯◯など既存のコンビニ名を参考にした店名にする、といった名付け方が主流です。

最近面白かったのは『当たり屋』というコンビニ。色々当たりが出やすいそうです(笑)

名前が決まったら、次は出店地区を決めます。

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駅前の「A地区」、学校などもある住宅地の「B地区」、大きな公園の近くの「C地区」、ショッピングエリア・オフィスエリアの「D地区」の4つの候補の中から選んでください。

一度出店したら変更はできないので、慎重に選んでくださいね。

どこの地区が有利不利ということはほとんどありませんが、地区ごとに特性はあるので、それを読み切って経営ができるかが勝負になります。

さあ、決まりましたか?

店名と出店地区が決まったら、ゲーム開始です。

毎日(=毎ターン)、配布される新聞を読んで、販売戦略を考えて商品を仕入れ、商品の売買に応じて在庫の変動と収支を記録する。一日が終わったら、戦略のどこがうまくいってどこが失敗したかを分析して、次の日の経営に生かす。

それをとにかく繰り返していくゲームです。

最初の資金は10万円。それを元手に複数日(=複数ターン)経営を行い、最終日のお金が一番多かった店舗が優勝!売上だけでなく費用も意識して、利益を最大化する必要があります。

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やってみないとわからないと思うので、皆さんにも1日(=1ターン)の一部だけ挑戦していただきます。本気で考えて、子どもたちに負けぬよう、利益を増やしてください!

4月5日(月)のコンビニ営業!まずは仕入れから!

営業日の前日。あなたは新聞を見ながら悩んでいます。

明日は何を仕入れようかな?

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仕入れることができる商品は、以下の仕入れ表の8つ。

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仕入れることができる最大数は、商品ごとに20個までです(1日で売れる最大数が20個のため)。1つ1つの商品に対して、0〜20個の中から選んで、何個仕入れるかを決めてください。

ちなみに、「平均(半日)」というのが年間を通じた平均の販売数(半日あたり)です。例えば、おにぎりであれば大体、半日で6個、1日で12個売れるということです。もちろん0個しか売れない日もあれば、20個売れる日もあるかもしれません。

そして、「仕入れ価格」というのが、皆さんが仕入れる時に払う価格で、「販売価格」は売れた時に皆さんが得る価格です。例えば、おにぎりを3個仕入れたら210円(=70円×3個)かかります。

そのうち2つしか売れなかった場合は、手元に入るお金が200円(=100円×2個)なので、10円の赤字になってしまいます(=200円−210円)。一方で、全部売れた場合は、90円儲かります(=300円−210円)。

ちなみに、もし5人が買いに来ていた場合でも、3個しか仕入れていないので、90円しか儲けられません。もし5個仕入れていたら、150円儲かっていたのに・・・(=500円ー350円)

なんとなく、やるべきことがわかったでしょうか?

このように、新聞と仕入れ表を見比べながら、「おにぎり5個」「サンドイッチ8個」「幕の内弁当」などといったように、全商品の仕入れ数を決めていくのです。

今回は、「おにぎり」だけ考えてみましょう。上の新聞と仕入れ表に戻って考えてみてください。さあ、皆さんは何個(0〜20個)仕入れますか?仕入れた個数、仕入れにかかった金額をきちんと記録しておいてくださいね。

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何個売れるかな?いくら儲かるかな?

皆さんが仕入れた「おにぎり」は全部売れるでしょうか?ドキドキのコンビニ営業が開始しました。

まず、午前中の営業。

どの店舗も5個ずつおにぎりが売れました。

順調ですね。まだ在庫は残っていますか?

それでは、午後の営業です。午後の売れ行きはエリアによって異なったようです。

花見の影響でしょうか。

満開の桜を観に、たくさんの人がエース運動公園に集まったようでした。

結果、午後はA地区では8個、B地区では5個、C地区では9個、D地区では6個のおにぎりが売れました。

そして、この日の営業はここで終了。

おにぎりは1個あたり100円で販売していたので、売れた個数をもとに売上を計算してください。そして、売上金額から先程計算した仕入れ金額(=費用)を引くと、それがあなたの店舗の利益(おにぎり分)です。

黒字になったでしょうか?それとも、赤字になってしまったでしょうか?

本番のゲームでは、この仕入れ・販売・記録を全商品分行います。実は、制限時間もあるため、高速で戦略を考えて計算・記録することを繰り返していかねばなりません。また、実際仕事に使われているような「在庫管理表」「収支記録表」も使用するため、その書き方も覚えて使いこなさなければなりません。

今回は「おにぎり」だけで簡単だったと思いますが、なかなか大変な仕事だというのが想像できたでしょうか?(経理の方には簡単だと思いますが・・・)

ちなみに、学年によって、価格設定・商品点数・商品ごとの最大販売数を変えているので、自分の計算レベルにあわせながらゲームを楽しむことが可能です。

また、実際のゲームでは、何日(何ターン)もゲームを行うので、天気がランダムで変わったり、季節に応じて売れるものが変わったり、地区ごとに状況が変わったり、世の中に大きな影響を与える大きな事件が起こったり、色々します。そういった変化も面白さの一つです。

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一部だけの体験でしたが、いかがだったでしょうか?

これが、a.schoolの「探究算数 コンビニ店長編」です。

2ヶ月間・全8回の授業での計算量は大量になりますが、生徒たちは一部苦戦しながらも全く諦めることなくずっと楽しく計算を進めていきます。「計算が楽しかった!」「もっとやりたい!」という子も続出し嬉しい限りです。

このように、計算のための計算ではなく、売上を増やすなど何か目的のために計算をしたり、それをゲーム感覚で楽しむことができる機会をどんどん増やしていきたいと思っています。

一日にぎゅっと凝縮したバージョンは、冬期講習でも大人気だったので、2018年3月後半〜4月前半の春期講習でも実施予定!お楽しみに。

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